抱き合い桜と縁結び塚
どんな伝承か
多摩川の矢野口の渡しに、若い男女の亡骸が流れ着いた。村人は二人をひとつに葬って塚を築き、傍らには遺品を神体とする小さな祠を建てて弔ったという。塚のかたわらに立つ桜は枝が互いに絡み合っていたので、抱き合い桜と呼ばれた。この塚ははじめ心中塚と呼ばれていたが、のちに縁結び塚と改められたと伝わる。『武蔵野の民話と伝説』が記す調布市の話である。
原典より
調布市の多摩川の矢野口の渡しに、若い男女の死体が流れついたので、村人がこの二人の骸を埋めて塚を築き、そばに二人の遺品を神体とする小祠を建てて供養した。—— 武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・昭和51年(1976)刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・昭和51年(1976)刊)
大島建彦・渡辺千佳子『武蔵の伝説』(角川書店「日本の伝説」シリーズ・昭和51年=1976刊)を全799話・伝説単位で収録(巻頭「はじめに」は除く)。旧国「武蔵」=東京都・埼玉県および神奈川県の一部(川崎・横浜など)にまたがる伝説を、木/石・岩/水/塚/坂・峠・山/祠堂/家・村/祭礼・行事 の八部門に分類して集成する(内訳 東京都371・埼玉県353・神奈川県75話)。