権現の森
どんな伝承か
徳川二代将軍秀忠から、本郷町、いまの東栄町の浅井部落へ、権現様すなわち家康を祀った祠と杉苗七本、それに白狐一匹が下された。村人は祠を安置してその周囲に杉を植え、白狐も神の使いとして大切に扱った。ところが年がたつにつれて祭りもおろそかになり、白狐もろくに構ってもらえなくなって、しまいには人を騙すようになった。おまけに神の祟りとしか思われぬ怪しい出来事が次々に起こった。その頃には七本の杉も権現の森と呼ばれるほどの大木に茂っていたが、村人は祟りの元はこれだろうとして切り倒してしまった。すると七本の根元はしっかり一本になっており、その下に石臼を一つ抱え込んでいたという。臼は今も村に残っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
愛知県伝説集(福田祥男・昭和三十六年(1961)刊)
尾張・三河(愛知県)に伝わる伝説を山/海/水/給水・雨乞/地蔵・観音/石・岩/城跡・屋敷跡/塚・墓/地名/動物・変化/植物/祟り・怨霊/山人・巨人/社寺/その他の15章に分類して集成する。尾張富士の背くらべ、女人禁制の山、河童・狐狸の変化、雨乞いの淵、戦死者の塚や落人伝説、社寺の縁起や地名の由来など、愛知の地に根ざした怪異・霊験・由来譚を地名つきで網羅する。