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嫌いなタデ汁

所在地愛知県北設楽郡東栄町大字振草(スミドン淵)
年代伝承
登場語り手、伝承者
出典河童・天狗・妖怪――民俗随筆

どんな伝承か

振草川の上流の振草村に、大谷地という旧家があった。その屋敷の下の、青く淀んだスミドン淵の河童も、田植の手伝いが好きであった。客をするときは、頼むと膳や椀の類まで貸してくれる。それでこのあたりの田植祝の日には、姿は見えなくても、昔から上座に河童の席を取り、一人前の膳を据える決まりだった。のちに、この家の家人がこれを面倒がって、ある年の祝いのとき、河童の嫌いなタデを膳に盛り合わせておいた。河童はそれを知らずに食べ、「おお辛い。おお辛い」と言いながら、転がるように振草川へ落ちていった。それ以来、その旧家も何かにつけて悪いことが続き、めっきり衰微してしまったと伝えられている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

河童・天狗・妖怪――民俗随筆(武田静澄・武田静澄・民俗随筆・昭和)

武田静澄『河童・天狗・妖怪―民俗随筆』。全国の妖怪伝承を天狗・河童・ざしき童子・妖怪心理の四部で随筆風に集成する。天狗篇では天狗の団扇・誕生、祈禱くらべ、天狗に憑かれた女、幻術つかい、神かくし、天狗にさらわれた人々(お庭番のゆくえ・天から降った男・ふたり夫・天狗六兵衛・おかんの末路)、神かくしにあう心理、ぐひん餅と山荒れ、天狗の相撲場などを収める。

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