火種子(ミルクとサーカ)
どんな伝承か
ミロクのホトケとシャカのホトケが「世の中」を奪い合って譲らず、枕もとに花瓶を置いて早く花が咲いた方の世にしようと約束した。夜中にシャカが目を覚ますと、自分の花はまだ咲かず、ミロクの花瓶には花が咲き乱れていたので、ひそかに花瓶を取り換えた。こうしてシャカの世となったので、ミロクはあらゆる生き物に目を閉じさせて火の種子を隠し、竜宮へ去った。火を失って困ったシャカが生き物を集めて尋ねると、バッタが、自分の目は羽根の下わきにあるので、ミロクが石と木に火の種子を隠すのを見たと告げた。シャカは木と木をもみ合わせ、石と石を打ち合わせて火を得た。世に嘘つきや貧しい者や盗人が出るのは、シャカが花を盗んだからだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。