膳椀を貸す美女と消える蜜柑
どんな伝承か
持見の穴谷の鍾乳洞には、豊かな暮らしをする美女が住むと伝えられる。膳や椀をいくらでも貸してくれるので、村人は入口で手を打って合図し、必要な数を告げた。すると美女は背を向けたまま品を手渡したという。あるとき青年が物を借りるふりをして、顔を見せてもよかろうと抱きついたところ、美女は奥へ消え、二度と姿を見せず、膳椀の貸し出しも絶えた。蜜柑や柿を欲しいと頼めばいくらでもくれるが、持ち帰ろうとすると手の中の実まで消えてしまうという話も残る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。