水の神の文使い
どんな伝承か
昔、東八代郡鶯宿村に平大尽というお大尽がいた。その祖先が下九一色村魚桶の観音へ参りに行くと、魚桶の淵から爺様が出て来て、自分の娘が上曽根の向こうのけさん淵にいるからこれを届けてくれと言い、一通の書面を渡した。断ることもできず預かったが、途中で淋しくなって開いて見ると、「この男を取って喰え」とある。驚いて中身を「この男に銭を沢山くれろ」と書き直した。けさん淵で手を打っておけさくと呼ぶと、淵から美女が出て来た。書面を渡すと女は変な顔をしたが、少し待てと言って再び淵に入り、小判や甲金を沢山持って来た。その金を藤蔓の袋に入れて逃げ帰り、平大尽は大金持ちになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第5巻』所収の「文化叙事伝説」全104話(千葉・山梨・神奈川・埼玉・東京=関東甲信)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。