舌間から大島へ渡った竜神
どんな伝承か
五反田の保安寺の裏にある小池には、雄の竜神が棲みついていたという。体が大きくなるにつれて池は手狭になり、海を隔てた大島の大入池へ移りたいと願うようになる。ある日、竜神は娘の姿を借りて舌間の海岸に立ち、通りかかった貧しい漁師に大島まで乗せてほしいと頼んだ。漁師は快く船を出したが、乗せたのは一人のはずなのに船は沈みそうなほど重く、ようやく対岸へ着いた。別れぎわ、竜神は素性を明かし、このことを誰にも漏らさなければ船はいつでも大漁になると告げる。約束のとおり漁師は富み栄えたが、人に問い詰められて渡海の一件を口にした途端、漁は元へ戻り、もとの貧しい暮らしに返ったと伝わる。
原典より
いつの頃からか、五反田の保安寺裏の小池に雄の竜神が住んでいた。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。