仁尾の浦島太郎
どんな伝承か
仁尾の家の浦古家に生れた与作が浦島の三崎に移り住み、小浜のおしもを嫁に迎えて太郎が生まれた。太郎は十七、八歳のころ明神の里(今の箱浦)に移って漁業に従事し、弁天の浜で子どもがいじめていた亀を買いとって海に放した。五月のある日、浦崎の亀石で釣っていると大亀が現れ、その背に乗って竜宮へ行った。遊びほうけるうちに父母は死に、世も人も幾代か流れていた。乙姫に送られて積浦の鼻に帰り着いたが、村々の様子も人々も変わり、自分を知る者は一人もいなかった。粟島の海岸に打ち寄せられた大亀をねんごろに葬ったのが亀戎神社である。太郎は竹生島の父母の墓前で玉手箱を開き、白煙とともに白髪の老人となった。その煙が紫雲となってたなびいたのが紫雲出山で、山頂に竜王社として祀られている。
原典より
<高木―「長者ヶ池」 柳田―「炭焼藤太」仁尾の家の浦古家に生れた与作というものが、浦島の三崎に移り住んだ。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。