満能河原の毛利蛍と尼子蛍
どんな伝承か
多治比川の上流に満能河原と呼ばれる河原がある。旧暦五月五日の夜になると、郡山の方角と、川向こうの青山の方角の双方から蛍が群れをなして集まり、この河原でぶつかり合う。郡山側から来る蛍を里人は毛利蛍と呼び、体は大きいが数は少ない。青山側から来る蛍は尼子蛍と呼ばれ、小ぶりながら数がはるかに多い。里の子どもたちは毛利方に勝たせようと、それまで捕らえて溜めておいた蛍をこの夜いっせいに放って加勢するという。これを満能の蛍合戦と呼び、今も続いていると伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。