ネズミ島と大人
どんな伝承か
通り山に背丈十尺余のバアバアーという老女がいたと伝わる。百歳を越えてなお二谷三谷を飛び越えたという。ある日もらった大下駄を履いて山谷を跳ね回るうち、まだ見たことのない小豆島へ渡ろうと思い立った。熊山あたりから助走し、生塚山、通り山、カブラ崎と踏みつけて跳んだが、着物の裾が腰までまくれ上がったのを恥じて力を緩めたため足が届かず、股が裂けて海に沈み、今も上がってこないという。カブラ崎へ渡る折に下駄の歯から落ちた土が島となり、これをネズミ島という。また尻の見えた地域を尻見(尻海)と呼ぶようになった。生塚・通り山・カブラ崎には今も畳四畳半ほどの足跡があるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。