油掛け地蔵
どんな伝承か
綾羽二丁目、もとの小阪前町の五月山公園下にある地蔵さんを「油かけ地蔵さん」と呼んでいる。詣る人が種油を頭からかけるので、油とほこりで真黒になっている。時々、この真黒な地蔵さんに新しい赤いよだれ掛けがかかっていることがあるが、すぐに油で汚される。乳飲み子が夜泣きして困る時は、この地蔵さんへ詣るとよく眠るといわれ、礼にお地蔵さんへ油を注ぐのである。いまは小さいお堂に祀ってあり、扉があるので後ろから入らなければならない。供花の種がこぼれて毎年白粉花が咲き、堂前の百日紅の花が赤く咲く。初夏に雨が降ると、お堂の横や後ろの石垣に沢蟹が這い出してくる。いまも詣る人があり、地蔵盆の祭りは続けられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第9巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全100話(奈良・大阪・和歌山・三重=近畿南部/紀伊)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。