太陽に矢を射て没落した荒坂長者
どんな伝承か
五条市の今井町、荒坂峠に荒坂長者という大金持が住んでいた。毎日多くの人が金を借りに来て煩わしいので、日が出ていなければ静かになるだろうと考え、太陽に向けて矢を放った。すると家運はたちまち傾いたという。峠には荒坂池があり、水が白く濁っているのは長者がいつもここで米を研いだためだと伝える。この池の水は夜には涸れ、朝になるとまた白い水で満たされるともいう。長者は財を減らそうと食事のたびに箸を替えては捨て、それが積もってお箸塚となり、やがて没落した。荒坂池のほとりでは今も元日の朝に長者の金の鶏が現れて鳴くという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第9巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全100話(奈良・大阪・和歌山・三重=近畿南部/紀伊)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。