腹を上に死んだ蛇で雨
どんな伝承か
文部省の迷信調査協議会の俗信調査で、天候一般に関する例として福岡県仲原(農村)から「蛇が腹を上にして死んでいれば雨が降る」が第八十四例として報告された。すぐ次には福岡県糸島(漁村)の「死んだ蛇の腹を上にしておくと雨が降る」が並び、原典は両者を比べて興味深いと述べている。無気味な蛇が腹を上向きにするという異常な体位で死んでいるのを見て、そこに異変を感じ天候の変化に結びつけたものと解されるが、後者では蛇の屍体が天候に働きかける呪力を認め、屍体の向きを変えれば天候まで左右できると信じている、というのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(文部省迷信調査協議会・日本の俗信・昭和24年(1949))
文部省迷信調査協議会『日本の俗信1―迷信の実態』(昭和二十四年)。戦後の文化国家建設を背景に、昭和二十一年から宇野圓空を委員長とし今野圓輔・森秀男・古畑正秋らの人文・自然科学者・迷信研究家が、全国の児童生徒・教師を通じて行った大規模な迷信実態調査の第一回報告。