観昌寺の明王さん
どんな伝承か
九之坪の観昌寺の境内には明王堂があり、ミョウオンサンと呼ばれる烏瑟沙摩明王が祀られている。この明王の像は、烏瑟沙摩明王と書いた御札を燃やした灰で作られたと伝わる。灰から作られたために仏としての位が足りず、ふだんは紀州の那智の滝で修行に励んでいる。けれども観昌寺の和尚が手を三度打つと、たちまち那智から戻ってきて、願いごとを聞き届けてくれるという。
原典より
灰で作るくらいだから、仏の位が足らず、いつもは紀州の那智の滝で修行しておられ、観昌寺の和尚が手を三回叩くと、即座に那智から戻ってきて、願いごとを聞いてくれるという—— 西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町の町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節をムラごとの十八項に分けて並べ、最後の項の五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。