ヒョウタンを沈めて溺れる猿の婿
どんな伝承か
脇野沢の昔話に、猿が爺のごぼう掘りを手伝い、その代わりに爺の娘を嫁にもらうという話がある。娘は嫁入りにあたって親からたくさんのヒョウタンをもらい、それを猿に持たせて出かけた。途中、沼のほとりで美しい藤の花を見つけた娘は、あの花が欲しいと猿にせがむ。猿は花を取ろうとどんどん高く登ってゆき、ついに枝が折れて沼へ落ちてしまう。娘は落ちた猿に、そのヒョウタンをみな沈めたら嫁になってやろうと言う。猿は必死に沈めようとするが沈まず、力尽きて沼の中へ沈んでしまった。こうして娘は無事に親のもとへ戻ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史・自治体史(民俗))
『脇野沢村史 民俗編』第七章・口承文芸所収の伝説と世間話。青森県下北半島・脇野沢村の口承を採録する。脇野沢を七地域に分けて語る地名起源伝説、子供を脅す妖怪モコ・ジョジョ、海に現れる亡者船、そして数多く語られるキツネ伝承を中心とする。