磐梯山を七巻き半した大蛇の尾
どんな伝承か
はるかな昔、磐梯山には大蛇が棲みついていたという。その体はあまりに長く、山をぐるりと七巻き半もして余るほどだった。頭が置かれていたのが「とう寺」と呼ばれる土地、尾のあった先が今の大寺のあたりだと語られている。尾のある場所に寺が建てられたので、そこは尾寺と呼ばれ、それが訛って大寺になった。頭の側は頭寺と呼ばれていたが、こちらもいつのころからか塔寺という字に変わったのだという。磐梯山麓の二つの地名の由来を、一匹の大蛇に結びつけた話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
磐梯町史 民俗編――伝説と昔話(磐梯町(編)・磐梯町史・自治体史(民俗))
『磐梯町史 民俗編』第10章口承文芸所収の伝説と昔話。福島県磐梯町(会津・磐梯山麓)に伝わる口承を採録する。磐梯山を七回り半巻いた大蛇の頭と尾にちなむ尾寺(大寺)、大同二年に弘法大師が三鈷を投げて鎮めの寺を定めた梵字清水、弘法さまとあさづき、磐梯山が破裂したベコ雪、井戸の精が美女に化け切ると大蛇だった赤枝の蛇女、入口を叩く猿のよめとり、欲深を戒める山姥、笠地蔵、会津平を救った弘法清水、目鼻のないノッペラボウの度胸ばなしなどを収める。