ゴンボ猫と羽埋場の獣の酒盛り
どんな伝承か
小野赤沼の界隈には、名の知れた狐や鼬が住んでいたという。無双堂のタンガラ転ばしという鼬、羽埋場のせいたか坊主という鼬、物木作の紋次郎狐、寺前のゴンボ猫、和久の和正院狐といった顔ぶれである。タンガラ転ばしは夜更けになると現れ、小豆を洗おうか人を取って食おうかと唱えながら、川で小豆を磨いでいたと語られる。ゴンボ猫とは尻尾がぷつりと切れた猫のことをいう。これらの獣は羽埋場の大きな石の上に集まって、よく酒盛りをした。寺前のゴンボ猫がいつも遅れて来るので、あいつが来ないうちは調子が揃わないと歌いながら踊っていたそうである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
小野町史 民俗編――伝説(小野町(編)・小野町史・自治体史(民俗))
『小野町史 民俗編』第九章所収の伝説。福島県田村郡小野町に伝わる口承を採録する。