山の神が木を数える十月十日
どんな伝承か
山の神は農耕の神であると同時に、炭焼き・杣人・狩人といった山を仕事場にする者の守り神とされた。湯本の郷土誌には、旧暦十月十日は山林へ立ち入らず、立木を伐らない習わしだと書き留められている。この日を忌むのは、山の神が山じゅうの木の数を改めるからだと伝わる。木を伐って暮らす者ほどこの禁忌は重く、林業や木炭に携わる人々は十一月ごろ、女を交えずに濁酒を仕込んで山仕事の安全を祈った。木炭を作る組合が春と秋の二度、宿を回り持ちにして山の神を祀る土地もあった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史・自治体史(民俗))
『天栄村史 第4巻(民俗編)』第六節ほか所収の憑依と怪異・呪術・神社伝承。福島県天栄村に伝わる信仰と怪異を採録する。