昭和五十九年一月二十日のこと
どんな伝承か
久留米市荒木町の話。昭和五十九年一月二十日の夜、生前世話をした近所の故人が現れ、「私の後について来なさい、とてもよい所がありますよ」と言うのでついて行った。高い山を登り谷を越え、いくつもそんな所を越えてへとへとになりながら広い野原に出た。色とりどりの花が咲き乱れ、やがて大きな川に至った。その人は川の中を進んで向こう岸へ行くが、どうしても先へ行く気になれず「帰ります」と引き返した。翌朝からめまいと吐き気で寝込み、祈禱師に死霊がついていると言われて供え物をした。三晩目、白い着物の人が白布に包んだものをかついで入って来て「死人を連れて行きます」と言って出て行くと、翌朝には元気になっていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。