十三の空屋敷に浮かんだ障子の目
どんな伝承か
津軽の十三は材木を買いつける商人で賑わう港町だった。江戸の材木商半沢屋吾助は勘定にうるさい男で、旅籠代を惜しみ、長く空き家になっていた古屋敷にひとりで泊まった。夜、破れ障子が風に鳴る。見ると障子紙の桝目ひとつひとつに目玉が浮かび出て、吾助を咎めるような視線で取り囲んだ。ところが吾助は驚きもせず、目玉を一つずつ摘まみ取っては袋物へ入れ、これで大儲けができるとつぶやいたという。持ち帰った目玉は江戸の眼科医に売り払われたと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承