屋根で啼き続けた死者の着物
どんな伝承か
天保のころ、仙台城下に手島屋周太郎という商人がいた。古着の行商から身を起こして店を構えた男で、牢に入れられた者や処刑された者の着物を仕入れては売り、利を上げていた。あるとき若い娘が死ぬと、その着物を剝いで売りに出した。ところがその着物はひらひらと空へ舞い上がり、やがて鳥の姿となって、手島屋の屋根の上で啼き続けたという。着物が鳥に変わる話はほかにもあり、模様によってさまざまな鳥になるとされた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集