牛を埋めた塚のケヤキが流した血
どんな伝承か
藤岡の本郷を南北に横切る鎌倉街道が、神流川の段丘崖を登りきるあたりに牛オネ坂がある。むかし木曽義仲の愛妾葵御前がここまで落ちのび、乗っていた牛が倒れたために追手に捕らえられて殺されたと伝わる。その牛を葬った牛伏塚には大きなケヤキが茂り、繁みの奥から時おり牛のうめくような声が響いたという。大正の末、ある者がこのケヤキに刃を入れると赤い血が噴き出したので恐ろしくなって手を引き、次に伐ろうとした者は熱病に倒れた。木はやがて人手に渡り、大正一三年ごろついに伐り倒されたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)