私の妻、道子が人魂を見たというのです
どんな伝承か
三潴郡城島町での話。語り手の妻の道子が人魂を見たという。語り手は流れ星か飛行機の点灯か、どこかの電灯の反射ではないかと言ったが、妻は絶対に人魂だったと言い張った。人魂は青白く細い尾を引いてゆっくり屋根すれすれに飛ぶもので、縁の深い人や親しい身内・知人がよく見るものだと語り手が話すと、妻は「坂井さんの人魂かも知れない」と言った。坂井は入院中の一人暮らしで、隣近所の付き合いとして日頃から心にかけていた人であった。妻が人魂を見た二日後の早朝、妻は坂井の家の周囲の草をせっせと取っており、掃除が終わった昼頃、訪ねてきた親類の者から、坂井が今しがた息を引き取ったと聞かされた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。