つかめぬ魚の夢と義父の急死
どんな伝承か
昭和五十七年の秋、義母は九月半ばごろから毎晩のように寝覚めの悪い夢に悩まされた。手で掴めそうなほど魚が群れているのに、掴もうとするとさっと消えてしまう。同じ夢が続くので、義母は義父に、車の運転にはくれぐれも気をつけるようにと口うるさく言っていた。ところが義父が倒れたのは交通事故ではなく脳卒中で、病院へ運ばれてわずか四時間ほどで息を引き取った。何か悪いことが起きなければよいがと案じていた義母は、これだったのかと肩を落としたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。