新潟県中魚沼(なかうおぬま)郡・赤湯
どんな伝承か
新潟県中魚沼郡赤湯での話。大赤沢の政五郎という男は話者より十ほど年上の鉄砲撃ちで、熊とりに出て一人でリュー(山小屋)に泊まった。奥から水が流れ込み、その水で飯も炊けるという小屋であった。夜の十二時ごろ、そのリューがガッタガッタと揺れ出した。初めは地震かと思ったが、いつまでも収まらない。「これは地震ではない、天狗だ。おれの信心が足りないので懲らしめているのだ」と考え、オットメをしたり信心をしたりした。信心している間は静かだが、少し休むとまた揺すられる。とうとう夜明けまで祈り続け、朝になると何事もなくなり、翌晩からは揺れなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。