人声そっくりのセコと猫に似た足跡
どんな伝承か
砥用の山では、セコの声を何度も耳にしたという話がある。その声は人のそれとまるで変わらない。声を追いかけて行った先の雪の上に、猫に似た足跡がくっきり残っているのを見たこともあった。セコは歌もうたうが、人に悪さを働くことはないという。山小屋に忘れてきた煙草を持ち去られたこともあり、枕を並べて寝ていた三人が同時に取られたのだから、あれはセコの仕業だと語り合った。セコの憑いた家は栄えるともいわれる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。