若侍が鬼女に髪を掴まれ左手を打ち落として逃げた
どんな伝承か
旧田方郡仁田村(現在の静岡県函南町仁田)に「手無仏」と呼ばれる地蔵がある。正徳年間に堂が焼失した。ある夜、一人の若侍が鬼女に髪をつかまれ、その鬼女の左手を打ち落として林の中へ逃げこんだ。翌朝になって見ると、この地蔵の左手が落ちていたという。夜道で打ち落とされた鬼女の手と、仏の欠けた手が重なる怪異譚であり、『日本伝説名彙』が「手無仏」の条に収めている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。