おっ腹くってう明神
どんな伝承か
猿島郡の旧水堀村に、おっ腹くってう明神という神がある。昔、大水のときに流れ着いたものを、草を刈る者が見つけて引き上げようとしたが、重くてなかなか動かない。そこで棚に繋ぎ置き、人々を集めて食を供したうえ、「おっぱらくっちょう、えんさらほう」と囃しながらこれを揚げて祀ったという。今もその祭には婿をめぐる奇習がある。祭りの日、利根川の畔にある十間四方ばかりの池の泥を取って婿に塗りつけ、「おっぱらくっちょう、えんざんぼう、いつもかうなら、よおかんべえ」と囃したてる。婿が困り果てているところへ、その妻である新婦が出て詫び、泥を落として利根川で身を清め、新婦の持参した新しい衣に着替えさせるのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・大正~昭和初期(推定))
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 下総の巻』を全179話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。