甘木の乙子市の山姥の帷子
どんな伝承か
正徳四年成立の山姥帷子記によれば、天正の頃、筑前甘木の乙子市に木綿の綿を売りに出た下見村の富人大納言の下僕が、途中で仮寝をして市に間に合わなかった。目覚めると袋の綿が消え、代わりに青黄黒白の段染めの帷子一枚が入っていたという。これは山姥の物と認められ、宝物として二百年伝えられたと語り継がれている。信州安曇でも暮れの市に山姥が買物に出るという類話があり、柳田国男はこれらを併せて紹介している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。