志津野の狗賓餅と道具紛失
どんな伝承か
中山道の美濃鵜沼駅から北へ三里、武儀郡志津野という町での話である。村続きの林を伐ったとき、山というほどの処でもなく、殊に老木が覆い繁ってもいない小松林の平山だから狗賓餅にも及ぶまいと考え、何の祭もせずに寄り合って伐り始めた。すると誰も彼もの斧の頭がいつの間にか無くなり、道具もことごとく紛失していた。これはいけないとその日は仕事を中止し、改めて狗賓餅をこしらえて山の神に詫びたところ、失せた道具がぽつぽつと出てきたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。