坂部熊谷氏を新田義貞の遺子とする家伝
どんな伝承か
坂部の熊谷氏は一門がそう多くない。そうしてこの家だけは初代を新田義貞の遺子とし、名乗も両家を結び付けて平源の貞直などと伝えている。いわゆる秋葉街道を青崩の方へは進まず、和田から遠山川の流れに沿って降って行くと、満島という処で天竜川の左岸に出る。坂部はちょうどその対岸にあたり、ここに早くからの舟渡しがあった。多くの旅人はこの渡しを越えて熊谷氏を訪ね、世話になっている。今でこそ山家の奥在所であるが、かつてはこのあたりが南北交通の一つの衝点であった時代もあったことがわかる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第2巻』を全331話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。