向小多良の黒牛の里謡
どんな伝承か
県道の岐路からこの村を眺め、村の様子もその名前も面白いと感心していると、校長の塩田君が、こういう歌が昔からありますと教えてくれた。向う小だらの牛の子を見やれ、親が黒けりゃ子も黒い。ところが十年来の種畜改良の結果、この節では色々の斑ら牛がこの村からも出るという。それならば私はこう歌わせたいものですと即吟した。向う小だらの牛の子を見やれ、親が黒うても子は白い。恐らく今は自分のほかにこれを記憶している人もあるまいと記す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第2巻』を全331話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。