羽衣を隠された天女と千葉氏の始まり
どんな伝承か
昔、猪鼻城の下に池田の池という清らかな池があり、夜更けになると天女たちが舞い降りて松の枝に羽衣を掛け、蓮の花をめでていたという。噂を聞いた千葉常将は家来に羽衣を一枚隠させ、帰れなくなった天女を城に迎えて妻とした。天女は翌年の万寿元年に男子常長を産み、評判を聞いた天皇は常将を従四位に任じ、千葉と名乗るよう命じたという。のち天女は羽衣をまとって天へ帰ったが、その羽衣に月星の紋があったので千葉氏の家紋としたと伝わる。池は今の県庁のあたりにあったといい、羽衣を掛けた松が植え継がれ、羽衣公園の名も残る。
原典より
この話を伝え聞いた千葉常将はそのように美しい天女を自分の嫁にしたいと思い、家来に命じて一枚の羽衣をそっと隠させた。—— 千葉市の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
千葉市の伝説(平野馨)
『千葉市の伝説』は、平野馨が千葉市内に伝わる伝説をまとめた文章である。日本武尊と弟橘媛、行基、千葉氏の祖と天女、源頼朝、徳川家康・家光にまつわる話を中心に、神社仏閣・塚・泉・池・橋・地名の由来や、千葉笑い・雨降かっこなどの行事の起こりを集める。四十三の短い項を古代から近世へおおむね時代の順に並べ、多くの見出しに町名を添え、ところどころに別伝や発掘調査の結果を書き添える。