姫の簪で濁った滑川
どんな伝承か
埼玉県比企郡滑川村の下福田、いまの滑川町大字福田を流れる滑川について語られる話である。この川の水が濁っているのは、昔、ある姫が簪を川へ落とし、それを探したためだという。本書はこの話を、松山城の落城のとき、城主の夫人が敵に亡骸を見られまいと簪を渕へ投げ入れて水を濁らせたと伝える市ノ川の濁水などと並べて収めている。川の濁りを姫の簪に結びつける語りが、この地方には重なって伝えられていたのである。資料は滑川村羽尾の上野茂から寄せられた。
原典より
滑川が濁るのは、昔、姫がカンザシを川へ落として、それを探したためであるという。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成・昭和40年代刊(上巻)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成・昭和40年代刊(上巻))
韮塚一三郎『埼玉県伝説集成——分類と解説 上』を全487話・伝説(土地別の異伝)単位で収録(巻中の<解説>・[参考]・和歌・注は本文に内包)。