保良元島の竜退治
どんな伝承か
むかし、保良の元島の近くの大きなほら穴に親子の竜が棲みついていた。親竜はクバマ嶺という小高い嶺から天に昇り降りし、カヤ山の中をうねって通ると草はみな倒れ、バッタが空に舞い上がって雲のようになった。竜が元島の人を襲うので、村人は穴の二つの入口に枯れ草や薪を積んで火をつけ、中の竜を焼き殺した。だが焼かれたのは子竜だけで、天に昇っていた親竜は戻って悲しみ、長く尾を引いて泣いた。人はその声をまねてココヤシの実でクウキョウ(胡弓)を作ったという。怒った親竜は元島の人を次々に食い殺し、生き残った者はサキバリ島へ、のちピヤウナ島へ移り、やがて今の保良に住みついた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。