百合若大臣
どんな伝承か
昔、百合若大臣という人は八人力の弓を使う人で、弟子たちが何十人いてもかなわなかった。その一番弟子の侍が大臣を亡き者にして跡継ぎの大将になろうと考え、ある日大臣を離れ島に誘った。大臣は起きたら一週間、寝たら一週間寝るという人で、その離れ島で眠り込んだところを、弟子は置き去りにして舟を出してしまった。大臣は大刀が五寸ぐらいになるまで毎日貝をくじって食べて命をつないだ。妻が愛鷹に紙と筆を付けて放し、大臣も無事を伝える返事を送った。やがて通りかかった鰹漁船に帆柱へ縛り付けられて連れ帰られ、尺八を吹きながら家を訪ねると、愛馬は気づいたが妻はすぐには分からず、頭の傷跡でようやく大臣と知った。大臣は弓引きを披露するとて自分の剛弓を出させ、構えて裏切りの一番弟子を射殺したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。