鬼子の大飯食らい
どんな伝承か
上津川の花の木の向かって右の谷に田があり、もとは宅地であった。鬼子がいつごろ生まれたかは分からないが、生まれた時すでに歯が生えていて、いつ乳にかみつくか分からないので鍛冶屋鋏で挟んで乳を飲ませたという。鬼子は節分の夜に言い置きをして家を出、自在を伝って天井へ上がり破風から出て行った。節分の夜に飯を三石三斗三升炊いてくれれば絶対に貧乏させない、というのである。家では言い置きを守って炊いて外へ供えるとそれがなくなり、その間その家は金持ちで豊かであった。しかし量が多いので三斗三升三合に減らし、さらに三升三合三勺に減らすと来なくなり、家はすたれて家まで売らねばならなくなったという。
原典より
<柳田―「鬼田」>上津川の花の木の向って右の谷に田がある。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。