灰の縄を教えた床下の母
どんな伝承か
苫田郡上斎原村の赤和瀬では、六十になった年寄りは捨てる決まりだったが、ある孝行者の息子は母を捨てず、床下に穴を掘って隠しかくまった。やがて殿様から「灰で縄をなえ」という難題が下る。息子は母の知恵を借り、縄を焼いて差し出して褒美を得た。次に「穴のあいた玉に糸を通せ」との難題が出たが、これも母に教わって解いてみせた。殿様が望みを何でもかなえると言うので、息子は母を捨てずにいることを詫び、答えはすべて母から教わったものだと明かした。殿様はその孝心を褒め、以後この地では年寄りを捨てずともよくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。