産斉水
どんな伝承か
和気郡和気町衣笠に伝わる話である。入田の明神様の神泉は、もとは湯が湧いていた。ところがその湯が稲作に害を与えるというので、村人が石地蔵を造り、祈禱してこれを温泉の中へ投げ入れた。すると湯はたちまち冷たくなってしまったという。しかも、ちょうど同じころ、美作の湯郷に湯が湧き出したと伝えられる。親条にあたる広島県大和町の産斉水も、老婆が襁褓を井戸へ投げ込んだために湯が出なくなったと語り、汚穢を嫌って湯が土地を去るという同型の伝承である。伝承者は桐山宗海。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。