役の行者
どんな伝承か
役の優婆塞は賀茂役公、今の高賀茂朝臣という者で、大和国葛木上郡茅原村の人である。生まれつき聡明で博学、三宝を仰ぎ信じることを業とし、常に五色の雲に乗って虚空の外に飛び、仙宮の賓客となることを願っていた。四十余歳で厳窟に住み、葛を着、松を食い、清水に沐して欲界の垢を濯ぎ、孔雀の呪法を修めて奇異の験術を得た。鬼神を自在に駆使し、大和の金峰と葛木の峰との間に橋を渡せと命じたので、神々は愁え、葛木の一言主大神が天皇に讒言した。捕えられて伊豆の島に流されたが、昼は島にあって行い、夜は駿河の富士へ飛んで修し、大宝元年正月に仙となって天へ飛んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第9巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全100話(奈良・大阪・和歌山・三重=近畿南部/紀伊)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。