淵を埋めて堂を建てた龍女の池
どんな伝承か
『河内名所図会』が記す光善寺の龍女池の条である。池は境内にあり、当寺は文明七年八月、本願寺第八代の上人が六十一歳のとき、越前国吉崎山上の御堂を退去してこの里に来たことに始まるという。門徒が集まる中に美しい女が一人出て、数日のあいだ仏智の有難さを聴聞し、ついに成仏の素懐を遂げたと語った。女は、自分は淀川の洲崎の深淵に棲む龍であり、恩に報いるためその龍池を献じるから、早く埋め立てて仏閣を建てられよと告げ、雲に乗って見えなくなった。上人は淵を埋めて今のように御堂を建てられ、それによって山号が付いたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。