阿弥陀仏と善光
どんな伝承か
鶴田村(現・堺市)の百姓兵衛の妻・照は、乳離れせぬ一人子を亡くしたのち、望まれて家原の蜂田家に入り、法貴丸の乳母となった。法貴丸は成人して僧行基となり、礼として乳母の照女に地蔵尊を一体彫って与えた。照女は行基の感化で仏門に入って妙善と号し、上村の自分の屋敷跡に小庵を結んでこの地蔵尊を安置し、回向を続けた。照女の没後は村人がこれを守っていたが、天正年間に悪者が地蔵尊を近くの井戸へ投げ込み、いつしか忘れられた。正保三年、近所の弥兵衛が井戸の中から不思議な呼び声を聞いて浚えたところ地蔵尊が現れ、祭ったところ母乳がよく出ると評判になり、乳地蔵と呼ばれるようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第9巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全100話(奈良・大阪・和歌山・三重=近畿南部/紀伊)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。