多可の名を残したあまんじゃくの悪戯
どんな伝承か
あまんじゃくは背をかがめて歩く癖があり、それでもよく頭をぶつけていたが、この土地で背を伸ばし「ここは高いなあ」と言った。多可の名はそこから起こったという。住み着いた彼は数々の悪戯を働いた。夜明け前に神崎郡境の赤形山の岩を砕き、縄で引きずって加美町・八千代町を通り、中町糀尾で夜が明けて逃げ帰る。山寄上から田ごとに供物を配り、中町曽我井で夜が明けたともいう。妙見山から笠形山へ橋を架けようとして果たせず、中町の岡山と太子山を天秤棒で担いだら棒が折れ、落ちたのが奥中の長石だとも語る。癇癪を起こしては火の雨を降らせ、山崩れと洪水を招いた。中町の田の口に残る古墳群は、その火の雨を避けて隠れた跡だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。