与助沢に出る下男の幽霊
どんな伝承か
古志田には八方屋長者の屋敷跡が残っていた。八ツ棟造りの屋敷を堀が取り囲んでいたことから、その名で呼ばれたという。莫大な財を蓄えた長者は、盗賊が出るという噂を聞いて財宝を壺に納め、下男に担がせて斜平山の麓へ埋めさせた。だが口外を恐れ、与助というその下男を殺して一緒に埋めてしまった。以来そこは与助沢と呼ばれ、夜ごと与助の幽霊が立つと言い伝える。屋敷跡からは、安永年間の巡視で福天餅が、天保年間には永楽通宝を入れた壺が、明治の末には曲げものに納めた開元通宝が掘り出されたと記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史・自治体史(民俗))
『米沢市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説。山形県米沢市に伝わる鳥獣草木・山川湖沼・地蔵社寺の伝説を採録する。