育ちつづける屋敷神の丸石
どんな伝承か
金井沢の広面、室井家の屋敷の隅に、お神明さまと呼ぶ氏神が祀られている。御神体は大きな丸い石で、土地では生き石とも育ち石ともいう。もとは、毎年この神を背負って回ってきた老いた女の行者が袖に入れていた小石で、ある年この家を訪れたとき、ここに落ち着きたいと口をきいたのだという。譲り受けた先祖が神棚で拝んでいるうちに石は年ごとに太り、置き場所がなくなって屋敷の角へ移された。いまでは地表の差し渡しが一・五メートルを超える。かたわらの松は樹齢四百年ほどと見られている。石の上に物を置いて頭を病んだ当主の祖父が、ワカに告げられて取り除くと治ったとも伝える。
原典より
むかし、お神明さまを背負って毎年巡ってくるばあさんの行者があった。—— 田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説(田島町(編)・田島町史・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説(田島町(編)・田島町史・自治体史(民俗))
『田島町史 第4巻(民俗篇)』第二節所収の伝説。福島県田島町(南会津)に伝わる自然・歴史・神仏・池淵・幽霊・妖怪の伝説を採録する。