烏を囮にされた雀の油断
どんな伝承か
狭山市下奥富の佐藤つるが語った話である。烏はたいそう賢い鳥だとされていたので、雀は烏のそばで遊んでいれば間違いがないと信じ、烏のいるところへ群れをなして集まってきた。人間はその習いをよく心得ていて、烏のいる場所に網を張り、寄ってきた雀をたくさん捕らえたという。賢いはずの烏より人間のほうが上手だったわけで、昔話めかして語られてはいるが世間話に近いものだ、と採録者は註している。
原典より
昔ね、カラスはたいそう、りこうな鳥だといわれ、スズメはカラスと遊んでいればだいじょうぶ、決して、まちがいがないと思っているので、カラスのところへたくさんやってくる。—— 狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当)・昭和(昭和五十年代調査・刊行。本文に昭和五十三〜五十四年の採集記載)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当)・昭和(昭和五十年代調査・刊行。本文に昭和五十三〜五十四年の採集記載))
『狭山市史 民俗編』のうち「五 伝説・昔話・世間話」を収録した一次資料。昭和五十年代に堀兼・入間・奥富・柏原・水富・入間川の各地区で座談会・聞き取り調査を行い、明治〜大正生まれの古老から採集した口承文芸を、見出しごとに原文に近い形で記録する。