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中通島青方

所在地長崎県南松浦郡新上五島町青方郷
年代大正十一年
登場
出典現代民話考 ― 偽汽車

どんな伝承か

大正十一年の秋、この地の巾着網の漁船が奈良尾へ向けて出航した。ちょうど夜の十一時頃で、時化前の風により午前二時頃から雨がぽつぽつ降り出した。乗組三十名ばかりのうち、十七歳の若者が二人だけ起きて船を漕いでいた。すると万灯のように灯をつけた汽船が現れ、恐ろしく速い速力で近寄って来る。ぶつかるかと思うと、すっと身をかわして訳の分からぬ速さで消えて行った。数回往復するのを見たが、軍艦や大汽船の多い海域なので気にも留めなかった。後で大人に聞くと船幽霊だという。翌日はひどい時化であった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成)

松谷みよ子『現代民話考 ― 偽汽車』を小話単位で全525話収録。汽車・船・自動車などの乗り物にまつわる現代の民話・怪談を全国から採集。狐狸が汽車に化ける偽汽車、船幽霊、タクシーに乗る幽霊などを地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明359話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。

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