不発に終わったつちのこ探索
どんな伝承か
幻の蛇つちのこは、昭和四八年頃に和歌山県の生石高原をはじめ各地で目撃者が相次ぎ、ブームを呼んだ。吉野郡下北山村では当時それほど騒がれなかったが、ある谷には入るな、つちのこがいる、と遺言に書き残した者があったり、山の草むらからいびきが聞こえた、つちのこだ、と語られたりして、言い伝えは静かに根づいていた。『下北山村史』にも、太さのわりにひどく短いのが特徴で、上からマクレて転がり落ちてくる、池原ではつちのこ、上桑原ではのづちと呼ぶ、と記されている。昨年一一月には目撃者六人と村の有志が「下北山野性生物研究会」を作り、懸賞金百万円を掲げた催しを開いた。予想の三倍近い人と、百人ほどの報道陣が押しかけたが、探索は不発に終わった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)