誕生記念の杉に負けて病んだ娘
どんな伝承か
大正の頃、柴田郡村田町で女の初児が生まれ、その記念に、杉のようにまっすぐ丈夫に育つようにとの願いを込めて、屋敷の中へ杉苗が一本植えられた。ところが願いに反して娘は体が弱かった。戦時中には国の命令で静岡の織物工場へ連れて行かれ、そこで病を得てしまう。本家が古い密教宗の寺だったので拝んでもらうと、杉の勢いに負けているのでどうにもならない、杉を伐れば病は治るだろうと言われた。すぐに杉は伐られたが、娘は間もなく死んでしまった。子の成長を願って木を植えるのも良し悪しだ、というのが、亡くなった娘の母から聞いた話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)