触れるたび怪我人の出る庭の梧桐
どんな伝承か
南足柄で材木屋を営んでいた鈴木正夫が、数年前にグリルを開いた。その建物を建てる際、庭に立つ大きな梧桐を伐ろうとしたところ、災難が続いた。まず長男が地下足袋越しにガラスの破片で土踏まずを深く切る。開店後は庭を手入れに来た植木屋の棟梁が、外れた太い針金で眉間に大怪我を負った。主人自身も屋根にかかる枝を落としてから心臓を患う。以後も植木屋が枝に手を触れるたび怪我人が出た。屋根側の枝は払われたが、梧桐はいまも南へ枝を伸ばしている。昭和四年、掘っ立て小屋で下駄作りを始めたときに唯一の財産として植えた木だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)